NOVARE見学記
ご縁をいただいて、昨年、江東区に竣工した清水建設のNOVARE(ノヴァーレ)を見学してきました。
表現が難しいのですが、いくつかの異なる機能を備えた社屋です。一部をご紹介いたします。

一つは「旧渋沢邸」が移築されています。
創業者清水喜助(棟梁)に弟子入りした2代目の喜助が手掛けました。
渋沢栄一と2代喜助は信頼関係にあり、大きな仕事をいくつか任されたのだそうです。

渋沢栄一と子、孫、曽孫が4代にわたり暮らした家です。(今回で3度目の移築。)

江東区指定有形文化財として指定を受けています。
「指定有形文化財」ですので、近代技術も取り入れられています。
その一つが、防火用の池です、AI技術が組み込まれ、火元に近い場所から池の水が放水される設備を備えています。

↑防火用の池

もちろん2代喜助、その後増築に関わった西村好時の建築のこだわりも随所に感じられる建物です。
また、「アーカイブス」は清水建設の歴史が展示されている歴史資料館で、古くからある収蔵資料展示のほか、
これまで建てた建物の模型展示は担当者のこだわりがギッシリ詰まった場所です。
3Dプリンターを駆使しているのですが、これだけの模型を作るには図面や写真を読み込み、事前作業が膨大なのだそうです。
(写真はありませんが、個人的にはダムの模型がツボでした。)

「ノヴァーレ アカデミー」には建設現場さながらのモックアップが展示されています。
鉄筋コンクリート造、プレキャストコンクリート造、鉄筋鉄骨コンクリート造、土木構造物、仮設足場、内外装、消防設備、電気設備が展示されています。
工事の工程がわかるように少しずつ工事が進んだ形になっています。社内や関係会社の方々がここへ研修にこられるのだそうです。
外からも見えるようになっており、通る人も興味をそそられます。


↑通りからも見えるモックアップ
その他、大規模建築物などの実験を行うスペース、
空調や照明が個人に合うように設定できるフリーアドレスの執務空間、
アップサイクルの家具や、旧渋沢邸の床柱を型取って作ったアルミの外壁、
3Dプリンターのコンクリートの外壁、木の暴露試験を兼ねて外皮をつくっていたり、
沢山の実験的な取り組みがみられました。

↑左手のコンクリート壁は3Dプリンターで作られています。
「アーカイブス」と「旧渋沢邸」は予約制ですがどなたでも見ることができます。
https://www.shimz.co.jp/novare/

